Q&Aまとめ集 労働災害

Q:社員が会社に提出している通勤ルートとは違う道で交通事故に遭いました。帰宅中に買い物をしようとスーパーマーケットに寄る途中でした。労災になりますか?
回答
会社に届け出ている通勤ルートとは異なる道での事故であり、かつ帰宅途中にスーパーに寄ろうとしていた場合、基本的には労災保険の適用対象外とされる可能性が高いです。労災保険は、労働者が仕事に従事しているときや、通勤時に負ったケガや病気に適用されますが、通勤災害については「合理的な経路および方法で通勤している途中」という条件が求められます。会社に届け出た通勤ルートと異なる道を選んだ場合でも、合理的な理由があれば労災と認められるケースもあります。
通勤途中で私的な用事(買い物など)を行うために通勤ルートを外れたり立ち寄った場合、それは「逸脱」または「中断」に該当するとみなされ、基本的にはその時点で労災の適用範囲から外れるとされています。
もし、私的な用事(買い物)を済ませた後に、再び自宅へ戻るルートに復帰していたと判断される場合には、再度通勤として労災の対象となる可能性があります。ただし、この場合でも通勤ルートへの復帰が確認される必要があります。
Q:業務が原因でうつ病になった場合、労災認定される可能性はありますか?
回答
厚生労働省が定めた「心理的負荷による精神障害の認定基準(最新版:令和5年改訂)」に基づき、以下の3つの要件を満たすかが判断されます。
①発病しているか
- 医師による診断で、うつ病・適応障害・PTSDなどの精神障害があること。
②発病の前に業務による強いストレスがあったか
- 「業務による心理的負荷(パワハラ・長時間労働など)」が明確にあるか。
③業務以外の原因で発病したとは考えにくいか
- 家族関係や本人の性格など、私生活の事情が主因でないこと。
以下のような出来事があると、強い心理的負荷として評価されやすく、労災の可能性が高まります。
- 長時間労働
- 上司・同僚からのパワハラ
- 事故やトラブルの責任を負わされた
- セクハラ・モラハラ
- 業務量の急増・変化
注意点
診断書とあわせて業務内容やストレス状況を記録したメモや日記、LINEなどの証拠が重要です。
会社が非協力的な場合でも、個人で申請可能です。
医師が「労災」と認めていても、労基署が認定しないこともあります。申請時の資料が非常に重要です。
Q:労働災害事故が起きてしまいました。どうしたらいいですか?
回答
労働災害(労災)事故が発生した場合、企業としては迅速かつ適切な対応が求められます。
初動対応の遅れや不備があると、労基署からの指導・是正勧告、損害賠償、刑事責任に発展する可能性もあります。
事故発生直後の初動対応
①事故発生直後の初動対応
②二次災害の防止・現場の安全確保
③事故現場の保存(できる範囲で)
④上司・安全衛生責任者への連絡
所轄労働基準監督署への報告
- 死亡事故・重篤事故(骨折・失明・切断など)
必要な報告:労働者死傷病報告(様式23号)
期限:遅滞なく(通常24時間以内) - 軽傷(休業4日未満)
必要な報告:労働者死傷病報告(様式23号)
期限:翌月の月末までに提出
※ 休業4日以上の場合はすべて報告義務あり。口頭連絡+書面提出が一般的です。
労災保険の申請手続き
- 療養補償給付(様式5号)
医療機関 → 労働基準監督署 - 休業補償給付(様式8号)
労働基準監督署
原因調査と再発防止策の実施
- 事故の原因分析(ヒヤリハット含む)
- 是正措置・改善計画の実行
- 労働安全衛生委員会での報告(50人以上の事業所)
関係機関との連携と記録管理
- 労基署・社労士・労災保険担当・産業医などと連携
- 「労働者死傷病報告」「労災関係書類」の5年間保存義務
- 被災者との連絡・フォローアップ(復職支援やメンタルケアなど)
注意点
以下のことは絶対にやめましょう
- 労災隠し(健康保険で処理する)
- 曖昧な記録や虚偽の報告
- 被災者に口止めや圧力
回答
厚生労働省が定めた「心理的負荷による精神障害の認定基準(最新版:令和5年改訂)」に基づき、以下の3つの要件を満たすかが判断されます。
①発病しているか
- 医師による診断で、うつ病・適応障害・PTSDなどの精神障害があること。
②発病の前に業務による強いストレスがあったか
- 「業務による心理的負荷(パワハラ・長時間労働など)」が明確にあるか。
③業務以外の原因で発病したとは考えにくいか
- 家族関係や本人の性格など、私生活の事情が主因でないこと。
以下のような出来事があると、強い心理的負荷として評価されやすく、労災の可能性が高まります。
- 長時間労働
- 上司・同僚からのパワハラ
- 事故やトラブルの責任を負わされた
- セクハラ・モラハラ
- 業務量の急増・変化
注意点
診断書とあわせて業務内容やストレス状況を記録したメモや日記、LINEなどの証拠が重要です。
会社が非協力的な場合でも、個人で申請可能です。
医師が「労災」と認めていても、労基署が認定しないこともあります。申請時の資料が非常に重要です。